the scent of Jasmine ~ Akiko Endo Essay Blog

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2.10.2011

活動レポート

第3回私立学校教頭研修会
講題「まさに人生の転機」
 

 
 9.11の被災体験から7年目に著した著書『9.11のジャスミン』がご縁で、学校関係者の方向けに講演をする機会を頂きました。「まさに人生の転機」ということで、私自身が経験した被災体験をお話させていただきました。
 この研修会の前に、小学校で講演をさせていただいておりましたので、小学校で講演した後に反響として頂いたお手紙などをご紹介し、小学生のみなさんが私の被災体験、いじめはなぜしてはいけないかなどの話を聞き、どう思ったかなどご紹介、お話させていただきました。
 
 講演にてお話した中からご紹介させていただきます。
 
 今日はその職業とか、立場とか、そういうものを超えて、人と人、心と心で対話するつもりで私も参りました。自分たちはこういう社会的立場があって、私もまた業界での立場もあります。そういうものを離れて、今日は人間として、人として話をさせていただく、迎えられたいなと思ってまいりました。

 支援者の方、そして人から人にまるで、こう、糸を紡ぐようにですね、繋がりながら御縁をこうして紡いできた感じがあります。
 
 私は、2001年にこの事件が起きたわけですけれども、7年目の2008年に初めて自分の想いというものを何か記録としてではないんですが、残しておかなくてはいけないと。時が経てば、一度私たちが傷を負ったとしても、傷が癒えていくと、その傷はかつてあったっていうことは記憶の中にはあるけれども、傷みというのはその時点でしかないわけですから。いくら後からそれを思い起こそうとしても難しいと思いました。

 傷って癒えちゃうとその傷があったことすら忘れて。傷も痛みも忘れますけども。刺さった時のその心の体験っていうのは忘れないんですよね。これは10年経ってもやはり蘇ってきちゃうんです。ありありと。感覚の中にその映像が出て来てしまうんです。
 

 ですから、子供にとって痛いとか表面の傷とかこれは癒えるものだから、でも心の中に刻まれて奥にはあるんですね。心の中の体験って消え去ることが出来ない。だから一度、子供の時にダメージを与えたらずっといろんな障害が出るっていうのは確かだと思います。だからやはりいちばん大事な年代の時の子にお話をしたい、この小学校に行かせていただいたときに、本当に思いました。

 アメリカだって良い事ばっかりではないです。悪いものがいっぱい出るからいいんです。悪いから闘うんですよ。良いものと。移民システムと同じなんです。
 ですから、出ないで良きに計らえ、良きに収めていこうと思うと、それをつぶす。それがやっぱりだめですね。これを出すからキャパシティが広がるし、世の中大きくなっていくと私はいつも思うんです。
 で、仕事でもそうなんです。相反する意見っていうのは絶対的に聞いていかなければいけないんですね。つぶしちゃいけないんですね。それは、その中に真理があるんですよね。


 


 教育の第一線にいらっしゃる方々とこのようにお話させていただき、お会いできる機会を頂きました事、大変幸運に思いました。

 
 未来を担うこどもたちのためにも教育はとても大事ですし、私の体験が何か少しでも活きるのなら幸いに思います。